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雷side......
気が付いた頃からイタズラをすることが大好きだった。
だから“父親”が母ちゃんに金を渡さなくても、“父親”が見ていない隙に財布から金をバレない程度に抜くのも得意だった。
母ちゃんは困ったような顔で怒りながらもその金で食材や必要な物を買っていた。
俺がする“父親”へのイタズラは命懸けでもあった。
数日間帰ってこなくて生活が出来なくなった時はわざともっとボロボロにした服を着て交番に駆け付けた。
“お父さんが帰ってこない”
と泣いてみせて、警察に“父親”を探させ大事にしてやったりもした。
帰って来てから“父親”に殴られたりもしたけど、どっかの隙を見て必ず財布から金を抜き取った。
学校にも“父親”のことを言ってやって、その時も少し大事になった。
でも父親は結構大きな会社の社長ということもあり弁護士というのも連れて毎回対応していた。
それでも“父親”は毎回焦ったような顔をしていた。
母ちゃんや俺の前ではいつも威勢の良い“父親”だったけど、少しでも大事になると慌てた男になるダサイ奴だと思った。
そんな男が母ちゃんと俺以外にももう1つ家族を作り、“家族ごっこ”をしているのもダサイと思っていた。
本物の家族も大切に出来ない男がしている“家族ごっこ”は、とにかくダサイと思っていた・・・。
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