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「あれ・・・これ難しかった?」 大手の経営コンサル出身で1年も経つ頃には実績もあった俺が、その日は何も手がつけられなかった。 俺も立ち上げメンバーの1人だと公にしていないので、先輩でもある社員が優しく笑いながら丁寧に指導をしてくれた。 それでも何も手がつけられないまま、紅葉の帰りを待っていた・・・。 そして、夜遅くなってから紅葉が1人で会社に戻ってきた。 他の社員は全員帰った後で、山ノ内先輩もいなかった。 「天野、まだ残ってたの?」 紅葉が少し疲れた顔でそんなことを俺に言ってきた。 やっと紅葉の元に戻ってこられた俺にそんなことを言った・・・。 この2年間・・・ 紅葉はとにかく大変そうで・・・。 たまに俺と弟4人で住むマンションには顔を出していたけど、凄い疲れていた。 それでも俺からの誘いでたまに・・・本当にたまにだけど抱いていた。 そんな俺に・・・“彼氏”でもあるはずの俺に少しだけ笑い掛けた後、社長室に直行してしまった・・・。 それには慌てて立ち上がり社長室の中へと追い掛けた。
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