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洗濯機を回していた天野が玄関まで迎えに行き戻ってくると・・・天野のお母さんと“社長”だった。
「俺が呼んだ。家族に報告したいしな。
弟と明は出掛けてるって言うからメッセージで報告しておいた。」
天野が何でもない顔で言ってきて、私はそれに笑顔で頷いた。
天野のお母さんと“社長”に会うのも久しぶりだった。
私が小学校1年生だった時、天野のお母さんは25歳だった。
お姉さんだった天野のお母さんも50歳になった。
それでも若くて・・・40歳くらいの女性に見える。
「紅葉ちゃんすっかり大人になって~!!」
天野のお母さんが目頭を押さえながら私に笑いかけてくれる。
うちのお母さんとは違い、天野のお母さんはやっぱり“お姉さん”みたいだった。
でも・・・
「ほら!みんなゴロゴロしてないの~!
“秘書”に任せないで、みんなも手伝いなさい!!!」
「「「「母ちゃん・・・」」」」
天野のお母さんのことだけは弟4人もアヤメも“母ちゃん”と呼ぶ。
天野がそう呼んでいたからだと思うし、この子達が起きていた日中のお世話をしていたのは天野のお母さんだったから。
本当に“母ちゃん”だったんだと思う。
“母ちゃん”に言われ、あんなに動かなかった大学生4人組がのっそりと動きだし・・・その後の連携は素晴らしくあっという間に家事は終わり天野が「毎日やれよ!!」と大笑いしていた。
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