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がちゃがちゃ。らんらん。ばたばた。わーわー。 カラフルな音があちらこちらから響いてくる。土曜日のお昼時は、店が一番混雑する時間帯だ。近所の高校生やおじさん、子どもを連れた若いお母さんもいて、店内は満席だ。 みんな笑顔でおいしそうにご飯を食べてくれているように僕には感じられて、胸の中がぐっと熱くなった。 「ぼーっとしてんな、春馬。これ」 僕が慌てて厨房の方を振り向くと、この店の店長・ヒロさんが手にラーメンを持った状態で僕のことを睨んでいた。 やばい。僕は背筋を伸ばして足早に厨房に近づくと、ヒロさんからラーメンを受け取った。そのままカウンター席で待っているお客さんに届ける。 「お待たせしました、味噌ラーメンになります」 伝票を置いてレジの方を見ると、お客さんが立っているのが見えた。僕は駆け足でレジに近づき、会計を済ませる。僕は朝からこんな調子で、何度もヒロさんに注意されている。 こりゃ、今日のシフトが終わったらヒロさんにしぼられるなあ、と僕は右手で頭をかく。これは店長の癖で、気が付くと僕も真似するようになったのだ。
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