化け狸の呪い

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「えっと、090」  で、電話番号? まあ、それはそれで信用されているという事か? だが、電話番号だとなんだかビジネス感丸出しでプライベート色が薄れないか? 電話だと気軽に連絡という事もなさそうだし 「QRコードの方が早い」 「きゅ、キューアール……」  彼女はスマホの設定画面からあらゆるボタンを押した後、スマホケースから取り出し360度回してスマホを見ている。 「何をしている」 「どこにあるのでしょうか。QRコード」  QRコードの存在は知っているらしいがスマホに書かれているとでも思っているのだろうか。 「チャットアプリがあるだろう」 「ああ、あります。なんかメッセージが入ってきます」 「そこにある。貸せ」 「え? あっ……」  あまりのどんくささにイラつき、スマホを取り上げアプリを開く。 「少なっ」 「あ、それは、先日までガラケーだったので」  友達欄はたったの2名。おばさん、晃河。  晃河? 男だよな。絶対男だよな。彼氏がいるのか?  聞きたいが聞いたら警戒されてしまうかもしれない。ここは冷静に。 「今まで友達との連絡はどうしていたんだ?」 「携帯は父と共有していたので友人に教えても父が反応しちゃって恥ずかしいから必要以上に教えていなかったんです」
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