化け狸の呪い

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 彼女のスマホを操作し、QRコードで連絡先を交換すると俺の画面に新しいアイコンが現れた。 「猫、飼っているのか?」 「いいえ。飼いたいですがうちは人間だけで手一杯なので無理です。晃河のお家で飼っている猫ちゃんです」  また晃河。どれだけ彼氏に依存しているんだ。 「犬の方が従順で俺は好きだけどな」 「ワンちゃんも可愛いですよね」 「犬も好きなのか?」 「はい。動物全般好きです。でもやっぱり一番は猫ちゃんです。ツンデレな感じが溜まらないですし、なんと言ってもこのキリリとしたつり目」  人は無いものねだりというがまさにその通り。垂れた狸の目は猫のつり目に惹かれるらしい。 「男もキリリとしたつり目の奴がタイプか?」 「え?」 「いや、なんでもない」  子猫の愛らしい丸い目ならまだしも、この猫の目、どうみても俺とは真逆じゃないか。  きっと晃河という男もこの猫にたがわずの凛々しい男なのだろう。  大丈夫か? 俺。
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