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「したことねぇけどこれなら昔和人が遊んでるの見てたからなっ、おっと」
対戦ゲームをしているようだ。
ゲージを見ると五分五分といったところだろうか。
「コソ練してたでしょう。テストの時、勉強してないって言って90点台叩き出すムカつくやつだ。ドリャアァァ」
「そうだね。大都は試験勉強していないって言ってほぼ満点取るようなムカつくやつだったよ」
「試験勉強はしてねぇからしてねぇって言っただけだ」
「家庭教師がついて学校以外四六時中勉強しているのは試験勉強しているのと何の違いがあるのかな?」
「試験範囲外を勉強していたからな」
「そういうところだよ。僕たちは足し算や引き算を習っているところで君は掛け算や割り算を勉強している。僕らのテストなんて手が余って仕方なかっただろうね」
「なんの話してんだ、うわっ……」
「イエーイ! 勝った」
無言で集中していた晃河が勝ったようだ。
「今のは和人が」
「僕を言い訳に使うのかい? ふんっ、使うがいいよ。何もできなかった言い訳に僕を使って自分に言い聞かせるといいよ。それで気持ちが晴れるならね」
「いいや、俺がまだまだ未熟ってことだ。でも、勝算はあった。次は負けねぇ」
「いいよ。けちょんけちょんにしてあげる」
まだ続けるらしい。
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