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「柿谷、放課後居残りだ」
「ゴリ松先生、今の時代に居残りって精神的虐待じゃないですか?」
「何言ってんだ! 小テストでこんな点数じゃ話にもならないだろう」
テスト範囲をノートにまとめた私の虎の巻は柿谷先輩に事前に渡してあったが、その甲斐もなく赤点。
何やってんだ柿谷! て私は思わず眉をひそめてしまった。
放課後、柿谷先輩は教室にいた。何やら電話をしていた。
「すみません、少し遅れます。はい、直ぐに終わりますんで、はい、すみません」
電話越しでもお辞儀をする柿谷先輩。
「誰と話してたんですか??」
「ちょっとな」
「ちょっとな、じゃなくて。ゴリ松の事だから同じテスト、もう一度させると思いますよ」
「蟹川、ごめんな。虎の巻、読む時間なくて。テスト直前に流し読みする事しか出来なかった」
「事前に渡したのに、ギリギリまで読まなかった先輩が悪いです」
「そうだなぁ」
「ほら! 今この時間にでも、テスト対策は出来ますよ!」
「お、おう」
私に言われて、柿谷先輩は黙々とノートを熟読していた。
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