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「生物学とか出来んな。意味がわからん」 「それで僕が呼ばれたんでしょ?」 「うん」 蜂谷くんは学年一番の成績優秀者。時間の合間を縫って図書室で勉強会を開いてくれた。 私と柿谷先輩の取り組みがいつの間にか広まってクラスメイトの半数が参加してる。いつも昼休みはガラガラな図書室が私のクラスの生徒たちで満席だった。 隣のクラスの蜂谷くんによる生物学のテスト対策が始まった。 これも柿谷先輩は及第点だ。 しかし、 「弟に話したらさ、蛙の解剖するの? とか聞いてきて、川で捕まえて俺に渡すのよ。元気に生きてんだけど、こいつらどうしたらいい?」 と、柿谷先輩が徐ろに虫籠を取り出した。中には元気に飛び跳ねる小さな緑蛙が数匹いた。 女子生徒たちが阿鼻叫喚の悲鳴をあげて、図書室が揺れたあと、勉強会は終わった。
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