Drive with you

「…俺も、免許取る」

去年の10月、優介にツーリングに連れて行ってもらったときにそう宣言した俺は、それから5ヶ月後、無事に中型二輪免許を取得した。8泊9日の合宿の間、優介からは毎日のようにメールや電話が来ていたけど、それはまぁ…置いておくとして。厳しくもどこか抜けている教官と、それなりに仲良くできたルームメイト、それに予想外に美味かった食事のおかげで、俺の合宿生活は割と楽しいものになった。

…しかしそんな思い出話に浸る間もなく、俺は現在進行形で問題に直面している。

「ねぇ、本当に何もなかった？まさかとは思うけど…告白とかされちゃったりしてないよね？！」
「…………」

さっきからずっとこの調子で優介に問い詰められているのだ。

合宿から帰ってきたその足で、俺は真新しい免許証を手に優介のアパートを訪ねた。優介は開口一番「おめでとう！」と言って嬉しそうな顔を見せたあと、なぜか不機嫌になり……そして今に至る。

「何もなかったって言ってんだろ？しつこいな」
「いやいやいや！だってその大学生、なっちゃんと9日間2人きりだったんでしょ？！絶対何もないはずない…！俺なら間違いなく手を出す！！」
「はぁ？」