降って湧いた王冠

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 その日、僕はいつものように、庶民が進学するごく普通の学校に通っていた。そして普通に授業を受け、普通に部活を楽しみ、普通に下校すると、家の前に見知らぬおじさんが三人待ち構えていたのだ。 「あ、あの、僕に何か御用ですか……?」  僕が恐る恐る尋ねると、三人は希望に満ちた目をこちらに向けながら、次々に質問を投げかけてくる。 「貴方は、トム・エリック・スペンサーさんですか!?」 「は、はい……。」 「年齢はおいくつで?」 「十七歳です……。」 「お父様のお名前は?」 「エリック・マイケル・スペンサーです……。でも、四年前に亡くなっていますよ……?」  早く終わってくれと思いながら質問に答え続けていると、やがて彼等は感極まった様子で、僕に向かって跪いた。 「トム・エリック・スペンサー様。今この瞬間から、貴方様はグラン王国の国王陛下でございます!」 「は、はあ!?」  何故かいきなり、僕は外国、しかもあの隕石が落ちた国の国王になってしまったのだ。
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