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とはいえ、このまま国王になってしまうのだけは真っ平ごめんである。そのため僕は、この状況を何とか回避しようと試みることにした。
「で、でも、僕はまだ十七歳だし、そもそも国籍も違います。そんな僕は国王に相応しくないので、グラン王国のためにも王位継承権を放棄します。なので……」
どうぞ余所をあたって下さいと言おうとしたが、その前にガシッと腕を掴まれてしまった。
「何をおっしゃいますか! 王位継承権放棄など、冗談でもそんなことをおっしゃらないで下さい!」
「苦労に苦労を重ねて、やっと見つけることができたのです! 絶対に逃しませんから!」
「さあ、皆が待っております! すぐにでも出発致しましょう!」
「い、嫌だああああああ!!!!!」
こうして抵抗虚しく、僕はグラン王国に強制連行されてしまったのだ。
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