応援

1/5
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
高校一年生の夏の話 チアリーダー部の私は野球部の大会の応援に行った。 今日戦う相手は去年甲子園に出場しためちゃめちゃな強豪校。 球場には大勢の観客が試合を観に来ていた。 顧問の先生に「チアを盗撮する変態もいるから気をつけてね」と言われた。 応援する席に着いた。席に座って色々と応援の準備をしていたら左斜め前に座っていた野球部の人が私の声をかけてきた。 「君何年生?」 いきなり話しかけられたのでびっくりした。 めっちゃ緊張した声で 「一年生です」 と答えた。 そこで私の真隣に座っていた別の野球部の人が 「俺ら二年生なんだ!一緒に応援頑張ろうな!」 と元気な声で言った。 (ちょっと怖いけど、いい人そう!) 心の中でそう思う。 「名前なんて言うの?」 と斜め前の先輩が聞く。 「りらって言います。」 私が答えると、 「りらちゃん!よろしくね!  俺圭太郎!」 斜め前の先輩が自己紹介をしてくれた。 それに続くように 「俺優斗!りらちゃんよろしくね!」 と、真隣に座っている先輩も自己紹介をしてくれた。 (男の人からちゃん付けされるのってなんか照れちゃうな〜) 中学時代、陰キャで男子と全く関わりを持たず、 いわゆる男慣れというものをしていない私にとってちゃん付けで名前を呼ばれるのがとても嬉しかった。 「こんな炎天下の中のマスクあっついよなー!」 と圭太郎先輩 「りらちゃん見て、俺マスクの下髭生えてるんだぜ!」 と優斗先輩がマスクを外して見せてくれた。 やっぱり野球部は大人だ。クラスの男子たちよりも背が高く、筋肉がついてガッチリとした体をしている。そんな野球部は私から見たら全員大人に見える。 「お髭(笑笑)すごいですね。」 私が答えたら、圭太郎先輩が 「こいつ剃ってないだけなだけだから不潔やお」 と答えた。 (やっぱりこの人たち面白い) 私はそう思った。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!