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良いスキルを得るだけでチヤホヤされ、生きるのも楽なこの世界で、良いスキル所持者だけを狙う者が居た。その者のスキルは、盗難。例え盗んだ所を目撃されようと、証拠も残らなければ、記憶にも残らないと言う。盗む対象が物ではないスキルとなれば、尚のことだった。
だからこそ、その人に狙われぬよう、レアスキルを得た人は隠して生きていた。そんな中、レア過ぎるスキルを所持していることを隠さない者が居た。
「所持している人が、殆ど居ないスキルだったよ。でも、得ているスキルはこれしかないから、盗られたらたまんないな」
それは、親しい人との他愛ない会話だった。だが、その会話をスキル泥棒は何処かで聞いていた。
結果、レアスキルは泥棒に盗まれた。盗まれてしまった。
「あー……レアスキル盗られたっぽいな。役に立つどころか、必ずハズレを引くスキル。クソスキル過ぎて長生き出来ないから、殆ど所持している人が居ないレアスキルが盗られたよ!」
その後、スキル泥棒は現れなくなり、治安はすこぶる良くなったそうな。
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