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東2局最後の牌である發を引いたのは柴崎。
發は緒方と伊部の河にそれぞれ1枚ずつ見えている。
麻雀牌は数牌(萬子・筒子・索子の一から九)と
字牌(東・南・西・北・白・發・中)が
それぞれ4枚ずつの計136枚で構成されているので、
柴崎のを除けば残る發は1枚のみ。
發は現状、面子になり得ない。
あるとすれば雀頭の単騎待ちだが、可能性は限りなく低い。
手牌から安牌を枯らしていた柴崎はやむを得ず發を河にそっと置く。
途端に不穏な胸騒ぎが彼を襲った。けれど、覆水は誓って盆に返らない。
前のめりになった門脇が手牌を勢いよく倒す。
「ロン! 12,000点いただきます」
門脇が作った役は立直・河底撈魚・七対子・ドラ2の跳満だった。
七対子とは3枚組4つ2枚組1つの定型に拘らない特殊役。
2枚組を7つ揃えることで成立し、
聴牌時は必ず単騎待ちになるのが特徴である。
不運なことに柴崎は牌山が無くなると同時にロンを喰らったため、
河底撈魚という役が追加され、本来8,000点に抑えられたはずの失点が
1,2000点に跳ね上がってしまったのだ。
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