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いつも数メートル先で絡んでいた瞳が、
今はあの日と同じ、目の前にあって。
艶のある下向き睫毛から覗く瞳は、髪とは違って少し、ダークブラウンの虹彩を孕んでいた。
『少しは意識してくれた?』
『…え?』
『ずっと見てたじゃん俺。鞠ちゃんが近く通る時、結構追っ掛けてたつもりなんだけど』
『え?』
…意味が、分からない。
なんで?
どうして…?
『なんで?』
『好きだからに決まってんじゃん』
…
『···へっ!??』
『鞠ちゃん、俺と付き合って』
―――
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