3 アメシスト

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鞠ちゃんが興味あるのは、女友達と勉強。それ以外の事には無関心で、男に話し掛けられても、横に居る女友達が邪魔をする。 だから、タイミングを図った。 掴んだ華奢な腕は、捻れば簡単に折れてしまいそうだ。 あの日から目に焼き付いて離れない、気の強そうな二重瞼で俺を見て。でも何処か不安げに瞳を揺らす姿に、気の強さは何処にも感じ取れ無かった。 『·····ぁの、』 『駄目?』 首を傾げて、視線を送る。 大抵の女はコレでころっと表情を変えるけど、鞠ちゃんの表情は曇るだけ。困ったように眉を垂らして、落ち着きなく瞳を揺らす。 意を決したように唇が動いた時、 怖気付いたのは俺だった。 『ちょっと考えてみて』 かっこ付けて馬鹿みたい。 いけると思って、ダサ過ぎる。 俺はこの子の心に、一歩も踏み込めてない。 見ているだけで近付けた気で居たなんて、俺の脳みそは余程腐ってるみたいだ。 ―――
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