1 アメシスト

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それに合わせて派手グループあるあるの容姿とスタイル、愛嬌は揃ってるもんだから、女の子達が目の色を変えて彼等を眺めている。 その集団の中でもひっそりと目立つのが。 派手な髪色の集団の中で、一人黒髪の男の子。 両手をズボンのポケットに引っ掛けて、背は丸めることなく伸ばし、男にしては量の多い髪を後ろでハーフアップに纏めている。 "男の子"というには大人びている横顔で、二重の目は綺麗なのに、瞼がいつも怠そうに重たくて。 やる気のない顔立ちのその人のやる気のない目がふと私に向くと、直ぐに彼は正面へと視線を逸らした。 「……」 右のポッケに突っ込んでいた手をお腹の辺りでひらっと私に向けて靡かせ、再びポケットに戻す。 『アイジン話加われよ~』 『アイジン、アイジン』 『その呼び方止めれ』 『やぁだ、アイジン~』 藍仁(あいじん) 志貴(しき) アイジンと呼ばれる彼が、 私が周りにひた隠しにして付き合っている 人生初の彼氏だったりする。
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