5 アメシスト

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「中学から一緒の人だよ」 「ふーん、珍しいと思って」 「何が?」 「鞠が俺以外で話す男。俺以外に笑う男」 「……」 「ちょっとムカついた」 ふいっとその顔がそっぽを向く。 志貴が嫉妬…? わたしに? 「志貴はわたしが好きなの?」 ずっとごちゃごちゃ疑問に思っていた言葉が、すんなりと口を付いて出てしまった時には、自分の過ちに気付く前に、志貴の視線に貫かれる。 「何それ」って若干怒った目をした志貴は、持っていた箸をお茶碗に置くと、両肘をテーブルに付いて私を見た。 「そこから?」 「…え?」 「鞠、俺がふざけて付き合ってると思ってんの?」 「違う…!」 「じゃあ何でんな事聞くの?」 それ、は… 「志貴が…」 「俺がなに?」 「触ったり、近付いたりしないから…」
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