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「可愛いね、鞠ちゃんは」
「…へっ?」
「ずっと見てた。隣のクラスの日高鞠ちゃん」
唇が離れきらない距離で、志貴は言葉を紡ぐ。
…ずっと見てた?
志貴が、わたしを?
「入学したとき可愛いなーと思って、笑ったらどんなんなるかなとか、声が優しいなとか、クソ真面目だなとか。考え出したら好きになって、巧付き合わせて鞠にぶつかった」
「えっ!??」
「偶然じゃない。俺が鞠好きになったのも、あの日起こった事も、俺にとっては運命で必然」
まともに勉強してない志貴が、丁寧で優しい言葉を紡ぐ。志貴の声は低過ぎず決して高くなくて、耳心地良い音がする。
志貴が身体を離した時、
ずっと手首に付けているブレスレットが目に止まった。
綺麗な紫色
黒や薄い青の玉が連なったブレスレット
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