5 アメシスト

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「志貴」 「ん?」 「わたしも、志貴の事が好き」 「……」 「好きだからね」 そう言って志貴を覗けば、彼はふわりと優しい表情で笑った。志貴は笑う時、瞼がふっと落ちて凄く綺麗な顔をする。 「それは、マジで知らなかった」 志貴のブレスレットが付いた手が私の前髪を横に流すと、後頭部を引き寄せて唇を合わせる。 慣れた手つきで結ばれた後ろ髪を解き、ぱさりと髪が重力に従う。志貴の指が髪に絡んで、離れ無かった。
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