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「志貴」
「ん?」
「わたしも、志貴の事が好き」
「……」
「好きだからね」
そう言って志貴を覗けば、彼はふわりと優しい表情で笑った。志貴は笑う時、瞼がふっと落ちて凄く綺麗な顔をする。
「それは、マジで知らなかった」
志貴のブレスレットが付いた手が私の前髪を横に流すと、後頭部を引き寄せて唇を合わせる。
慣れた手つきで結ばれた後ろ髪を解き、ぱさりと髪が重力に従う。志貴の指が髪に絡んで、離れ無かった。
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