2 アメシスト

1/4
前へ
/30ページ
次へ

2 アメシスト

「ふわぁ〜、校長の話長かったぁ〜」 「ね。お孫さんの話ずっとしてた」 「叔父馬鹿だよ、アレ。絶対家では口うるさい奴」 「そうかな?貢いで子供に好かれるお爺ちゃんになりそうだけど」 全校集会が終われば、 蜘蛛のように人が散っていく体育館の中。 私も例外じゃなく友達とその場を離れようとすると、 「マジ怠いわぁ、ヤマセン」 「そんなに怒ってばっかだと、頭の血管切れて早死にするよ?」 「だったら俺にストレスをかけるような事をするな」 体育館の真ん中で、生徒と教師が揉めている。 日誌の平で、バシバシと頭を叩かれる生徒。 生活指導の山川先生に絡まれてるのは、派手なグループを形成する彼等で。 その中には勿論、後ろにひっそりと立つ藍仁志貴が、他人事のように眺めている。 「うわぁ〜、またやってるね。水岸くん達」 「朝礼中も目立ってたじゃん。山川先生ずっと、鬼の形相で見てたよ」 「マジか。でもあの人達、怖いもの知らずっていうか、校則ガン破りだし」   
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加