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「ねえ、まーり。鞠はあの中だったら誰がタイプ?」
「えっ?」
「顔は良いじゃん。性格も色とりどりだし、真島くんに遊ばれたいとか、下垣くんに一夜限りの相手して欲しいとか無いの?」
「無いよ」
でも、
「…藍仁くんは、結構好き」
言って、ふいっと顔を背けた。
「あー、あの中だったらそうだよね。落ち着いてるし、騒がない所が鞠に合ってる」
私が彼を好きだと言っても、友達は気にしない。
だって、私と彼は対照的だから。
分かってるのに、顔が熱くなる。
バレたくなくて、服の袖で頬を冷やした。
…
志貴の隣に並んでる事が、私に合ってるのか。
人気者の彼と私じゃ、釣り合って無いんじゃないか。
付き合い初めの頃は抱かなかった不安を抱えながら、私は彼等から視線を逸らし、体育館を後にした。
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