2 アメシスト

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「ねえ、まーり。鞠はあの中だったら誰がタイプ?」 「えっ?」 「顔は良いじゃん。性格も色とりどりだし、真島くんに遊ばれたいとか、下垣くんに一夜限りの相手して欲しいとか無いの?」 「無いよ」 でも、 「…藍仁くんは、結構好き」 言って、ふいっと顔を背けた。 「あー、あの中だったらそうだよね。落ち着いてるし、騒がない所が鞠に合ってる」 私が彼を好きだと言っても、友達は気にしない。 だって、私と彼は対照的だから。 分かってるのに、顔が熱くなる。 バレたくなくて、服の袖で頬を冷やした。 … 志貴の隣に並んでる事が、私に合ってるのか。 人気者の彼と私じゃ、釣り合って無いんじゃないか。 付き合い初めの頃は抱かなかった不安を抱えながら、私は彼等から視線を逸らし、体育館を後にした。 ―――
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