俺の妻になりなさい

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俺の妻になりなさい

「結婚か……。成功するかもしれないし、失敗するかもしれないな。結果が読めないな。まあ一か八か、乗ってみるのも悪くない」 「オ、オリヴァー様……?」 「いいだろう。俺の妻になりなさい」  にやりと笑ってオリヴァーが言った。シャーロットが大好きなあのセクシーな表情だった。 (ウ、ウソ……ッ!)  ――まさか、オリヴァー様がオーケーして下さるなんて……。信じられない……っ!  シャーロットは驚きに蒼い瞳を見開いた。 「ほ、本当ですかっ?!」 「とりあえず婚約という形でどうだろう。俺たちはまだ知り合ったばかりのようなものだし」 「もちっもちろんです!」  異論などあるはずがない。 (というか衝撃の展開過ぎて信じられないわ!)  シャーロットはウンウンと勢いよく首を縦に振った。その仕草を見て、オリヴァーがにっこりと白い歯を見せた。 「あはは。なんだか金色のハツカネズミみたいだな」  少年みたいな明るい笑みに、シャーロットは新たなときめきを覚えてしまう。この言葉に出来ない熱い気持ちに効果音をつけるなら、まさに「ズキュウウウン」という感じだ。 (ううっ!)  ――格好いいだけじゃなく、可愛い一面もあるなんて、ずるいわっ。 「ハッ、ハツカネズミでございますか?」 「そう。バターブロンドで、目も大きい。特にちんまりしてるところとか、そんな感じがする」  オリヴァーが続けた。 「ちんまり……」 「俺だけに懐くハツカネズミさ。毎晩一緒のベッドで眠るんだ」 「~っ!」 (い、一緒のベッドって……。きゃーっ!)  二人が同じ寝室にいるのを想像しただけで、興奮して卒倒してしまいそうだ。実はシャーロットの特技は妄想である。 「い、いけません、オリヴァー様、私たちは知り合ったばかりなのですからっ」 「? 何慌ててんだよ」  オリヴァーがシャーロットに歩み寄る。そして碧の瞳を細めて彼女の髪の毛を撫でた。煙草を吸うために手袋を取っていたので、直に彼の体温を感じる。 (!) 「ふむ。今は少し硬いが、悪くない髪質だ。メイドに手入れさせれば、もっと柔らかくて、サラサラになるだろう」
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