お似合いのカップルね

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お似合いのカップルね

「平気です。奴らが出没しているのは西側です。向こうは俺の同僚達が常に目を光らせています。それに何かあったとしても……彼女だけは俺が死んでも守りますから」  オリヴァーが真剣な顔で言った。シャーロットはその輝く瞳の強さにときめく。 (オリヴァー様……)  「大丈夫です。お祖父様、お祖母様。私も彼を信じています」  シャーロットは微笑んだ。その落ちついた表情を見て、老夫婦はようやく安堵したようだ。 「そうだね、オリーがついていれば安心だ。な、お前。うちの自慢の孫は、素晴らしい猟犬なのだから」 「そうですわ貴方。余計な心配でしたね。気をつけて行ってらっしゃい。楽しんできてね」  シャーロットとオリヴァーは「はい」としっかり返事をした。  食事を終えて支度をし、馬車に乗って街に出掛けると、もうすでに昼を過ぎていた。街はざわざわと活気だっている。治安も良く、商売も盛んなようだ。  シャーロットとオリヴァーが馬車から降りると、御仕着{おしき}せの上等な制服を纏ったフットマンが言った。 「ではまた夜にお迎えに参ります。マイ・ロード」 「ああ、よろしく頼む」  フットマンは後輪の辺りにひょいと飛び乗った。美丈夫である。  焦げ茶色の馬車は金の装飾が施され、ドアにはブランドン家の紋章が描かれていてた。フットマンと同じ制服を着た御者が手綱を操ると、二頭の白馬が優美に歩き出した。ブロンドのたてがみと尻尾が輝いている。  カッポカッポと心地よい音を立てて進んでいく馬車に誰もが振り返る。そして残されたシャーロットとオリヴァーにも自然に視線が集まった。 「公爵様の馬車よ……ということは、あそこにいるのがオリヴァー様ね。なんて素敵なんでしょう。こう暑いのに汗一つ掻かないなんて……噂通りのクールなお人柄。素敵だわ。猟犬騎士の名にふさわしい」 「へえ、じゃあ隣にいるのは若奥様かい? うおっ、すげえべっぴんさんだ。ここらの娘とはまるっきり違うなぁ。見ろよ、あの白い腕。眩しくて目が潰れちまう」 「うわあ、見て見てっ、あの薔薇のついた帽子。最新のファッションだよ! いいなあ、あたしも欲しいなあ」 「ホント、すっごいオーラ。まさしく美男美女って感じ。お似合いのカップルね」
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