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「天野さん・・・私、処女じゃないですから・・・。」
泣きながら天野さんを見上げると、天野さんが少し驚いた顔をしている。
でもすぐに真面目な顔になり・・・
「お前は処女だろ。」
「違います・・・。」
頬を次から次に涙が流れていく。
天野さんは困った顔で笑いながら綺麗な手で、でも男の人の手で・・・私の涙を拭ってくれた。
でもその手を掴み、私の顔の目の前で手を開かせた・・・。
天野さんの手の平には古い傷跡がある・・・。
それを見ながら何度も瞬きをした。
そして、その手の平に少しだけ唇を付ける・・・。
天野さんは困った顔で笑い続けている・・・。
「私は処女ではありません。」
「お前は処女だろ・・・。」
「私の処女喪失の大切な写真を消去しないでください。」
「そういうつもりじゃなくて、なんつーか・・・」
天野さんが言葉を切った後に高柳さんを見た。
「女同士でやった場合って、処女喪失になんのか?」
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