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「はよ・・・。」
「おはようございます。」
挨拶をしながら天野さんの方を見たら・・・
下着だけの姿だった。
さっきはチラッとしか見なかったけど、浅黒い肌に大きな身体・・・
腕も胸もお腹も足も・・・筋肉が沢山ついていた。
それに驚きながらいつもより多めに瞬きをする。
そんな私に天野さんは面白そうな顔で笑いながら、自分の身体を触った。
「もっと筋肉つけたいんだけどな。」
「ついてるじゃないですか・・・。」
視線を逸らしてから、お父さんの部屋に向かう。
タンスからお父さんのTシャツとハーフパンツを取り出し、ダイニングテーブルの椅子に座った天野さんに渡した。
「誰の・・・?」
「父です。」
「ありがと。
そういえば、お父さんは?」
天野さんがお父さんの服を着ながら聞いてきた。
「数日前にまた海外に行きました。
なのでしばらく帰らないと思います。」
「そうか・・・。
お前今日も店番?」
「店番というか、なんというか・・・。」
「店番だろ、給料貰ってねーから大丈夫だろ。」
会社が休みの日は今でも店番をしている。
平日はお父さんの知り合いの方がお店をやってくれているけど、土日は私が。
カフェのバイトの時はシフトが入っていない時に店番をしていた。
「お父さん、私のことが心配だったんだと思います・・・。
私が藤岡ホールディングスに入れてから、また海外に行きたいって言ってきて。」
「元々ずっと海外にいたんだろ?」
「そうですね・・・。
なので、私を採用してくれてありがとうございました。」
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