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慌てて洗顔をした後、天野さんと一緒に朝ご飯を食べる。 お父さんが数日前から海外に行ったので、誰かと我が家でご飯を食べるのは久しぶりだった。 「お前料理上手いな。 すげー美味しい。」 「祖母と小さな頃から一緒に作っていたので、祖母の味です。 母は・・・もっと華やかな料理を作ってくれていましたが、幼稚園の頃だったので味は覚えていません。」 「でも、写真はあるからいいだろ。」 「そうですね、だからいつでも思い出せます。」 「よかったな、写真屋の娘で・・・有名なカメラマンの娘で。」 「そんなに有名じゃないですよ。」 「業界の中では有名だろ。 個展でも相当人が入るんだろ?」 「そうなんですか? 父の個展には行ったことがなくて・・・。 母も私も写真には興味がなくて・・・。」 「お父さん可哀想だな!!」 天野さんが楽しそうに笑い、ご飯を食べ終わった・・・。 少し遅くなった私のことも待っていてくれ、2人で“ごちそうさまでした”をした。
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