クマのぬいぐるみ

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クマのぬいぐるみ

「おっと、そろそろ時間だな…長いしてしまった」と言ったところで、門限の時間までに間に合うかと気になった ええっと、時計…時計と辺りを探したから壁にかけられていた 時刻は…19時30分…19時30分って!門限には間に合わなかった… 「…一条様…門限って知ってます?」 「あぁ、知ってる。確か…19時だったけ?Ωは…19時30分…すまん。すっかり忘れてた」 「・・・すまんじゃないですよぉぉ!!!頭叩いてもいいですか?」 「いや、叩くのは…」 「じゃあ、今すぐ、帰りましょう!!早く!!」と一条様の腕を掴んで、個室を出た 「あぁ、支払いしてあるから、そのまま車に乗ってくれ」 「ふん!」と言って言う通り、車にすぐ乗ったけど、発進してからというもの車内は無言の空気のまま 居心地が悪い…自分で悪くしてしまったから、仕方ないんだけども… なんか、声をかけるべきか…いやいや!一条様が悪いんだもん!僕は悪くない!無視無視!と思ったけど、やっぱり、話しかけようか…とか考えている時に一条様から「これ」と僕の膝に白のクマのぬいぐるみが2つ置かれた クマのお腹には青色のハートが刺繍されている 片方は大きくて、片方はキーホルダーが着いたちっちゃいクマのぬいぐるみ 「???」不思議に思いながらクマのぬいぐるみを眺める 「買ったわけじゃないからな!貰ったんだ。決してゆずのために買ったものじゃないからな」 「わ、分かりましたよ」 「あと、3つ俺の言うこと聞いてもらうからな」 「は、はい…」さっきの、間違えたらのやつか…と話してたら、あっという間に学園に着いてしまった そして、一条様が車から先に出て、僕をエスコートしてくれた そういうのは完璧。性格は…言わないでおこう そして、門の中に入って寮に帰ろうとしたら「ゆず!」って呼ばれて、振り返ったらグッと腕を掴まれて一条様の方に引き寄せられ、キスをした 唇と唇が触れ合うキス… びっくりして「え!あっ!ちょっ!!」ちょっとと言い終わる前に人差し指で、唇を押さえつけられ「門限のお仕置きだ。楽しかった。ゆず」と言って、いい匂いを纏わせながら先に帰って行った 「き、、キス!?き、キスってものは愛してる同士がやるものであって…って、キス!?」 あぁ〜僕死んだかも 白雪姫は王子様のキスで生き返るけど、僕の方は、魔王だもん、逆逆!キスで眠っちゃうんだよ ときめくな自分!いやいや!元々、ときめいてなんかいないよ ときめいてなんかいない、ときめいてなんかいないと言い聞かせながら自分の部屋に戻った
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