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あかんと思いつつも次の移動教室の授業に間に合わへんから廊下を走った。
3m先の曲がり角を右に曲がって渡り廊下を渡りきって、すぐ左に曲がった先の所が移動教室の入口…ゴールや!…大丈夫、きっと間に合う…はず…。
もうすぐ曲がり角や!でもこのままの勢いで曲がったらヤバい!と思ってたら思った通り間に合わず、曲がりきれずに壁にぶつかりそうで思わず目をつむる。
「危ない!」
と言う声が聞こえたかと思うと手首をギュッと掴まれて引っ張られて何かに包まれた。
頭の上から「ほっ…。」と言う息づかいが聞こえてきた。
つむっていた目をあけて見上げると鼻の穴が見えた。その鼻の穴から小さいハートが1つ、コロコロリンリンと鳴りながら落ちてきた。思わず落とさへんように両手で受け止めて、無意識にそのまま自分の口元にもっていって、あっと思った時には小さいハートはコロコロリンリンと鳴って口の中に入って、思わずゴックンと飲み込んで胃の中に落ちてしまった…。
「うっ、飲み込んでしもた~~~💦💦」
声にならない声で叫んでしまった。
「へぇー…飲み込んでしまったんや…。もしかしたら小さいハート?」
「う、うん。」
次は上から話し声がしたので、もう一度見上げると包まれていたものから解放されて男子学生の顔が見えた。その男子学生のコは、男前で性格◎成績◎運動神経◎と学年でも王子様と言われて有名なコやって驚いた。
「えーっと、君な、信じてもらえへんと思うんやけど僕の運命のコやねん。なんでかって言ったら、僕の鼻から出た小さいハート…鼻水ちゃうで、ハート飲んだやんか、それが僕の運命のコって言うことやねん。代々僕の家系不思議なチカラがあって、運命の子に出会ったら鼻からハートが出てくんねん。それを相手のコが飲んでくれたら成立するねん。」
頭の整理が出来ず「へっ?!」っと返事してしまった。
「お互いの事、今は全然わからへんけど付き合って少しずつわかっていく。好きになっていく。絶対うまく行く!なんでかって言ったら運命のコやし!そやから僕と付き合って欲しい!」
まだ整理のつかない頭で少し考えてみた。まぁ、こんだけ運命のコって言ってくれてはるし、信じてみよっかなぁと。
「わかりました。その言葉を信じます。よろしくお願いします。」
と答えたら、彼は「ヨッシャー!」と叫んでニコニコしていた。
「3年2組の岡山桃チャンやんな!また後で~!」と言いなから手を振って去っていった。
えっ?!なんで名前知ってんの~!?と立ち尽くしていたらチャイムの音が…。
「遅刻や~💦💦」と、一叫びして移動教室に走っていったけど、勿論言うまでもなく遅刻しました。
(終わり)
(オマケ)
未来の話を少し…。
あの時彼が「運命のコ」と言っていた通り、付き合ってお互いちゃんと好きになってラブラブになりました。
勿論、結婚もしましたヨ~💓
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