夜の泥棒たち

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久しぶりに仕事のない夜。 今日は、ゆっくり寝ようと思っていたが、昼夜逆転生活に慣れてしまった体は、眠ることを許してくれなかった。 とりあえず、横にはなろうとベッドに入り、暗い部屋で映画を見る。 午前1時、ベランダに人の気配を感じた。 職業柄、気配には敏感だ。 警戒したまま、動かず眠っているフリをする。 微かにカチャカチャと音がして、やがて窓の鍵が開く音がした。 (…俺の部屋の鍵を開けるなんて、なかなかやるじゃないか。) スっと音もなく窓が開く…気配がした。 足音は一切聞こえない。 けれど、確かに人の気配が近づいてくる。 リビングから、俺のいる寝室へ。 寝室の扉が音もなく開く。 こっそり枕の下に隠してあった銃を握った瞬間。 ガンッッと大きな音が響いた。 続けて人が倒れる音と、「ってぇ!」なんて声がする。 思わず、ガバッと起き上がって叫んだ。 「泥棒中(しごとちゅう)に転んでんじゃねぇよ!!!」
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