デートという名の

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デートという名の

全身をブラック系で統一させ、青のシンプルなネックレスをつけた。 寒さの始まった秋にはコートが欠かせないと、黒のコートを引っ張り出した。 黒をメインに青を貴重としたコーデを鏡の前で見た梅臣は、よし、と一言呟いて家を出た。 もちろん財布とスマホの入れた鞄を持って。 時間を決めていなかったため、早めに行こうと決めていた梅臣だが、待ち合わせ場所について驚いた。 「柚さん、いつから居たんですか?」 この前と同じシンプルなTシャツにズボンという服装で、柚はスマホを触っていた。 声をかけるとパッと顔を上げた。 その表情は、とても嬉しそうに緩められていた。 「今来たとっ、くしゅん!今日寒いね…」 「意地はらないでください!いつから居たんですか?!取り敢えずこれ羽織ってください!どうして半袖なんですか!」 くしゃみをして寒そうにする柚に、梅臣は慌ててコートを脱ぎ渡した。 柚は嬉しそうに、ふふ、と笑いコートを受け取った。 「梅ちゃんのいい匂い」 「っ!へ、変なこと言ってないで行きますよっ!まずは服屋です!」 「梅ちゃんが、コーディネートしてくれるの?」 そうです!といい、柚の腕をとってショッピングモールのある方向へ向かった。 梅臣の、ほんのり赤く染っている顔を見て、柚は幸せそうに小さく笑った。
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