なごりおしい

1/1
前へ
/19ページ
次へ

なごりおしい

「ふふっ、あはははっ!梅ちゃん面白いっ!」 「そーでもないですよ」 あれから、柚の家へ行きワインを開けた。 ワインを飲み始めて1時間弱、2人は既に出来上がっていた。 柚はひたすら笑い、梅臣はそんな柚を見て浮かれていた。 「柚さん、俺そろそろ帰らないといけないんですよね」 「えっ…まだ、いてもいいじゃん」 ふと時計を見ると終電の時間ギリギリで、梅臣は上着やらカバンやらを持って慌てるようにたった。 そんな梅臣に、柚は縋り着いた。 「俺、寂しいよ?」 「でも、終電が…」 「じゃあさ、泊まっていきなよ。手は、出さないって約束するから…」 悲しそうにボソボソと言葉を発する柚に、梅臣は小さく頷いた。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加