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おやすみ
「…梅ちゃんが俺の家にいる…夢かもしれない、嬉しい…」
「夢じゃないですよ。現実です」
あの後、梅臣はシャワーを浴びさせてもらった。
柚は酔っていて危ないからという理由で朝にシャワーを浴びることになった。
そして今、狭いベッドで柚に抱きしめられて梅臣は動けずにいた。
「柚さん、離してくださいよ」
「だーめ…俺だけの梅ちゃんだしぃ」
ふふ、と楽しそうに笑って梅臣の胸に顔を擦り付ける柚。
そんな柚を見て、梅臣はため息をひとつこぼした。
「いや、だった…?」
「嫌じゃないですけど、狭くないですか?」
「幸せ、かなぁ」
「そう、ですか」
なら、いいかもしれない。
なんて思ってしまい、梅臣は恥ずかしくなった。
「耳、真っ赤。もしかして、意識してくれてる?」
くすくすと笑いながら告げられる言葉に、梅臣はどう答えるべきかと悩んだ。
意識していないと言えば、嘘になる。
でも、それを告げると期待していいと言っているみたいじゃないか、と。
「…告白されたんだし、意識しない方がおかしいです。」
そう答えるのが、精一杯だった。
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