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おはよう。
「えっ?!?!」
梅臣は、耳元で聞こえた声に目を覚ました。
目を開けると、そこには顔を染めた柚がいた。
「…おはようございます。柚さん、どうしたんですか?一体…」
「な、なんでいるの?!夢、夢?!お、俺、夢見てる…?」
現実ですよ、なんて言いながら、梅臣は柚の寝癖を触った。
「寝癖、可愛いですね」
クルンと円を描く勢いで出来た寝癖に、起きてすぐの梅臣は笑いかけた。
「う、梅ちゃんって…!」
さらに顔を染めて、柚は俯いた。
梅ちゃんってなんでそんなにタラシなの!
そんな言葉は、言えなかった。
「どうしました?」
キョトンとする梅臣に、柚はため息を1つ吐いて、立ち上がった。
「おはよう!俺お風呂行ってくる!」
「わかり、って聞いてないかぁ。…柚さんって、朝強いの意外だな」
恥ずかしがって逃げた柚とは違い、梅臣はぼんやりと朝を堪能した。
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