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罪悪感と本音
「やっぱり、無理です…」
ゆっくりと服を脱ぐ柚を見て、梅臣は口を開いた。
色白で傷一つない綺麗な肌。
恋愛対象が男な梅臣は、本来ならそそるだろうが、好きな人のことしか考えられないでいた。
「…男だから?男、無理そう?」
柚は驚くことなく、ただ悲しそうにポツリと言った。
自分のことしか考えてないことがわかり、梅臣は、自身に嫌気がさした。
「違うんです、すみません。俺、好きな人がいて。今貴方を抱いたとしても、その人のことしか考えられないと思うんです。貴方に申し訳なくて…ホテル代は払います、それに、酒代も…」
鞄を漁り、財布を出そうとした。
だが、その行動は、すぐに止まった。
後ろから、柚に抱きしめられたからだ。
「つら、かったね。俺の事、好きな人だと思って抱いていいよ。本音を言うなら、俺の事考えて欲しい。でも、出会ったばかりの男にそんなこと言われてもでしょ?だから、俺の事をその好きな人だと思って抱いてよ。梅ちゃんに、抱かれたいんだ」
柚は、熱の篭った瞳で梅臣を捉え、うっとりと甘くそう告げた。
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