1-12. 空回りした溺愛の果て

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 両腕をリボンで縛られ、寝台のうえで中腰のような状態にされたまま愛撫を受けて身体を火照らせている音寧の、青みがかった黒眼が有弦の双眸と交わる。その瞬間、彼の手は待っていたかのように音寧の太ももへ降りて、すでに湿り気を帯びた和毛をかきわけ秘密の蜜口に指を差し込む。艶を帯びた音寧のため息が寝室に響く。とぷん、と音を立てそうなほどに蜜を溢れさせていた姫壺を前に、有弦は嬉しそうに言葉を紡ぐ。 「よかった、気持ちいいんだね」 「あ、はっ……んっ!?」  有弦さま!? と声を荒げようとした音寧の唇に、彼のそれが重なり、一息に舌を絡めさせられる。  脳髄まで蕩かすような接吻と同時に、彼の手は音寧の秘芽の莢を剥き、指先でくいくいと刺激を与えていく。喘ぎ声を封じられ、淫らな熱があちこちに溜まる。爆発しそうな予感とともに真っ白な閃光が音寧に襲いかかり、官能の波に浚われた身体は呆気なく絶頂を迎えた。 「――んっあっっ……っ!」  はぁはぁと肩で息をする音寧の身体を有弦が抱き留め、手首の拘束をほどきながら冷たく告げる。 「それで。叔母上に何を唆されたんだい?」 「……ゆ、有弦、さま?」
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