1-13. ほんとうの夫婦のはじまり

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 有弦に束縛されながら、手と口による愛撫をこれでもかと与えられて絶頂を味わっていた音寧の身体は熱杭のような彼の一物に貫かれ、ぎゅっと収斂していた膣壁を擦りあげられてぶわりと鳥肌を立てた。  すこしだけ失神していた音寧はようやく彼の分身を膣内に受け入れることが叶って、安堵にも似た悩ましい吐息をこぼす。 「ふっ……ぁあ……っ」 「おとね、俺は貴女じゃないと岩波山の有弦ではいられないんだ……」  音寧の両手を自分の肩に回させた有弦は、その状態のまま彼女の両足首のリボンを器用にほどき、持ち上げて互いの和毛同士を密着させる。下肢が繋がった状態のまま、有弦は寝台から立ち上がり、華奢な妻の裸体を抱き上げた状態で、カーテンがかけられた窓まで歩いていく。 「な……なにを」 「今日、叔母上と庭のどこを散策したんだい?」  シャッ、という潔い音と同時に、カーテンが開かれ、視界が明らかになる。  夜だから大丈夫だと思っていたのに、寝室の明かりが反射しているからか、おおきな透明窓に、有弦に文字通り抱かれたままの淫らな姿が鏡のように映り、音寧はちいさな悲鳴をあげる。
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