1-13. ほんとうの夫婦のはじまり

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 抱き上げられていた音寧は自分のなかからずるりと彼の分身が引き抜かれた感覚に戸惑いながら、有弦の榛色の瞳に自分の虹彩を映し、恥ずかしそうに声をあげる。  音寧の下肢からは溢れだした蜜と有弦が注いだ白濁が混ざったものが床へと流れ落ち、パタパタと雨音にも似た音が鼓膜に届く。 「じっとして……子種がこれ以上こぼれないように蓋をするから」  そう言いながら有弦は汗と体液で艶を放つ妻を寝台へ横たわらせ、身体を確認する。身体を重ねてお互いを求めあった時よりも羞恥心を感じてしまう、彼の丁寧な処置……たいていは、意識を失った状態で行われているけれど、今夜のように覚醒しているときでも、有弦は事後の妻を優しく清めると称して、秘処からこぼれる子種を膣内に戻そうと自らの指で蜜口に蓋をする。お互いに絶頂を極めた後は、姫壺におさまりきらないほどの愛液と精液が混在している。有弦の指はその体液を逃さないよう、しばらくのあいだ膣内で動かないまま留まっている。意識がないときはなんとも感じないが、起きているときに彼にこの処置をされると、ふたたびいけない気持ちになってしまう。
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