1-16. 時翔る花嫁は初恋の君

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 ふたりはまた、この時代に戻って夫婦になれる。  身代わり同士でも、互いを想いやれる関係を築いて。  そして今度こそ愛する妻を孕ませて、ふたりの腕に愛し子を――…… 「待ってる」 『鏡の魔力が保っている間は連絡取り合えるから心配しないで大丈夫よ。なんなら鏡の向こうで自慰し合えば?』 『あやねえさまっ!?』  綾音が乱入してきたことで、ふたりの間の甘い空気は一蹴されてしまった。  けれども後になって一人残された有弦は痛感するのだ。 「――そうか、俺……未来の花嫁どのに筆下ろししてもらっていたのか」  ……と。
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