2-02. 未来の夫と過去の顔

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「……破魔のちからを返す方法って、それしかないのですか?」 「男の精液なら誰でも問題ないとは思うんだけど、あたしと傑の性交で生まれる魔力よりも大きい魔力を生み出すとなると未来の音寧の夫になる資くんの精液がいちばん効率いいと思うわよ。それ以前に音寧がイヤじゃない? 夫以外の男の精液を身体に入れるの」 「それはいやです」 「でしょ? 破魔のちからを貯め込めるだけの器を機能させるために精力を蓄えるのは必須なの。媒介となる精液を魔力に変換できればようやくあたしは音寧に破魔のちからを返せるというわけ」 「もし破魔のちからを返す前にあやねえさまが死んでしまったら?」 「あたしが召喚したことで発動した“時を翔る”ちからが無効化されて、何事もなかったかのように元の世界に強制的に戻されるわ。音寧は無能のまま五代目有弦の妻をつづけることになるから最悪子を為すことも叶わないままあの洋館で死ぬまで監禁されて抱き殺されるってわけ」
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