2-03. 協力者は花盗人

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 さらっと物騒なことを吐いて、傑が追従すれば、綾音も呆れた表情で言い返す。 「そうやってお父様に結婚を認めさせたのよ、このひと」 「商売人たるもの、取引を成立させるのに金のちからは偉大である」 「もうっ」  イチャつきはじめたふたりを余所に、音寧は言葉を噤む。  ……破魔のちからを返してもらうだけのはずだったのに、どうしてこうなったのだろう。  想像以上に大変な事態に巻き込まれてしまった音寧は、青みがかった黒目を伏せて溜め息をこぼすのだった。
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