2-06. 露見する秘蜜

9/9
前へ
/608ページ
次へ
 たとえ愛するひとが鏡の向こうで見ていてくれるからといって、こんなのはいや、毎日肌を重ねて愛を確かめたい、だけど気持ちいいことからは逃れられない、まるで悪しきモノに魅入られてしまったかのようで――…… 「――姫!?」  勢いよく扉がひらく音と同時に、飛び込んできた軍服姿の資を前にした音寧は、その瞬間、鏡がパリンと音を立てたことに気づかないまま、甲高い悲鳴をあげた。
/608ページ

最初のコメントを投稿しよう!

253人が本棚に入れています
本棚に追加