2-07. 淫魔に魅入られた姫君

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 すでに自慰で絶頂した姿を見られているとはいえ、こんな風に裸を見られるのはやはり恥ずかしい。たとえ未来の彼にもっと恥ずかしいことをされているとはいえ、今目の前にいる彼は音寧のことを知らないのだから。 「……資さま?」 「淫魔に犯された場所を確認したい。浴槽の縁に頭を乗せて」 「こう、ですか?」 「そのまま身体を湯船に浮かべさせるように、ちからを抜いて……うん、このくらいかな」  軍服を脱ぐこともせず、お湯で袖が濡れても嫌な顔ひとつしない資は湯船のなかで音寧を楽な姿勢にさせると、ポケットから白手袋を取り出し、両の手に装着し、彼女に説明する。 「この手袋には払魔の効果があるんだ。姫が魔に犯された場所を清めるために使う」 「え……」  てっきり湯船に浸かるだけで清められたものだと思っていた音寧は、彼の言葉に身体を竦ませる。つまり、直接ふれることはないけれど手袋越しに音寧が自慰をした場所をさわるということ、で…… 「さわるの、ですか」 「? さわらなければ禊ができないではないか」
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