2-07. 淫魔に魅入られた姫君

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 何を言っているんだ、と不思議そうな顔をする資に、音寧は顔を真っ赤にする。軍の規律に則って行う禊だと言い張る彼は、音寧の裸を目の前にしているというのに真面目な表情を保ったままだ。あくまでも任務の一環として音寧に禊を行うということなのだろう。  たとえ自分が淫魔に犯されてなどいないと訴えたところで、その理由を彼に伝えることはできないのだ。ここは素直に彼の言うことに従うしかないと、音寧は瞳を閉じて渋々頷く。 「わかりました……さわって、確かめてください」
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