2-08. 禊で暴かれる身体

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 つつつ、と手袋越しに乳房をふれられ、そこに残された有弦の痕を指摘され、音寧はカッと肌を火照らせる。なぜ過去の夫に接吻の痕を憐れまれなくてはならないのだろう。自分は有弦の妻としてきちんと勤めを果たしていただけなのに。 「恥じらう姫の姿も美しいな」 「だ、だって禊なのでしょう……こんな、はしたない思いをするなんて」 「はしたない、か。やはり淫魔に犯されて身体が快楽から逃げ出せなくなってしまったのだな……このまま俺の手で清めて淫魔の痕跡を消すことにする」 「あぅ!」  その言葉と同時に両胸をぎゅっと掴まれ、音寧は悲鳴をあげる。先程までの繊細な手つきとは異なる、どこか荒々しい彼の仕草に驚きながらも、身体が悦んでしまったことに気づいた音寧はあぁと甘い声で啼いてしまう。彼女の啼き声を合図に、資はゆるゆると乳房を揉み上げていく。  無言のまま乳房を湯船のなかで揉まれ、手袋越しの指で勃ちあがったままの乳首も弄られて、音寧は先ほどの自慰では得られなかった官能を前に、自ら求めるかのようにはだかの胸を彼の前へと突きだしていた。 「はぁ……あぁっ」
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