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「すまない、姫。俺のことを愛しい異性だと思って存分に感じるんだ。快楽の上書きをすれば、淫魔が与える快楽に溺れることもなくなるだろうから……ひとならざるモノに心を委ねてはいけない……未熟だが俺の手でどうか……達してくれ」
溺れるのなら、俺に溺れろと言いたそうな彼の真摯な眼差しを前に、音寧は喘ぎ声を零しながら、瞳を潤ませる。
「あぁ……まだ、です。まだ、した、が……」
「――すまない。足をひらいて。縁に膝をひっかけるから」
「ひ……は、はい」
言われるがまま足をひらけば、そのまま浴槽の縁に左右の足を乗せられ、不安定な体勢にさせられる。お湯の浮力も相まって、音寧の下半身は宙に投げ出されたような状態だ。自由を許されていた両腕も、浴槽の縁で身体を支えるために資の手で湯船の外に出されてしまった。
「腕を、俺の肩にまわして」
「……こう?」
「上手だ。しっかりつかまっていろよ」
そう言いながら音寧の腰に片手を添え、もう一方の手で胸を愛撫していた資は満足そうに頷き、下肢へと腕を伸ばしていった。
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