2-08. 禊で暴かれる身体

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 出逢って二日目にして、こんなにも自分の心を乱すなんて。  もしかしたら父親の女かもしれないというのに。  知りたい、ふれたい、自分のものにしたい……綾音を監視していたときには感じなかった狂おしいほどの想いを、彼女に抱いてしまうなんて。 「――落ち着け……俺が魔に魅入られてどうする」  邪念は任務に不要だ。  資は無表情に戻り、物音を立てないようにそうっと、彼女が眠る部屋から立ち去り、扉の前へと戻るのだった。
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