2-11. 初恋の自覚と口づけの練習

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「……は、はじめて?」 「心に決めた女性としか、したいと思わなかったから……」  なぜか当たり前のように告げられて、音寧はきょとんとする。はなれた資の唇の端からたらりと銀色の糸が垂れて音寧の頬を涙のように濡らしていく。顔を赤らめたまま慌てて涎を拭う資を見つめていた音寧が何か言わなくてはと口をひらいたそのとき。  ――くうううぅ! という腹の虫がふたりの甘やかな沈黙を破壊した……
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