2-12. 次の段階を求める愛撫

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 まだ口づけの練習をはじめたばかりだと綾音に愚痴ったのはほんの数日前だというのに。いつしか音寧は資の口づけに惑わされるようになっていた。  はじめのうちは柔らかい部分をそうっと重ねるだけで満足していたのに、日を重ねるごとに舌を器用に這わせ、音寧が気持ちよくなれるよう口腔内を蹂躙するようになる。口づけを甘く見すぎていた音寧は部屋のいたる場所で資からの攻撃を受ける羽目になり、導く側の自分が一方的に口づけられることも多くなっていた。  朝の挨拶代わりの接吻はまだいい。  問題は夜、音寧が眠りにつく前に行われる身体の芯から蕩けさせるような長くて深い口づけだ。食堂で食事をいただき、浴室で身体を清めた後に夜着に着替え、寝台に向かうと彼が律儀に跪いて待っているのだ。 「姫。おやすみの前によろしいか」
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